米コンサルティング会社ナバレントが、経営幹部の業績と能力に関する10年分の調査データをIBMの人工知能ワトソンによって分析。すると、最も優れた経営幹部に共通する4つの特質が明らかになったという。
「最良の経営幹部」が他と違うのは、4つの側面(互いに強く相関する)で常に秀でていることだ。
1.ビジネス「全体」を把握している
卓越した経営幹部は、自社の各部分が互いにどうフィットしながら価値や成果を生み出すのかを熟知している。卓越した幹部はまた、社内の「継ぎ目」、つまり部門間の連携を強化する。それによって協調不足や断絶を最小化し、自社に最大限の競争力と差別性を発揮させる。
2.意思決定者として優れている
みずからのビジョンを明確に示し、他者の意見に耳を傾け、データを分析してインサイトを得る。複数の選択肢を秤にかけ、責任を持って最終決断を下し、その決定を明確に伝えることができる。この一連の高い意思決定能力によって、従業員の自信と集中力が喚起されるのだ。
3.業界を熟知している
「コンテキスト読解力」、つまり状況・文脈を読み解く能力をごく自然に備えており、それは次の2点に関する洞察の上に成り立っている。自社独自の方法で競争し儲けるにはどうすればよいか、そして顧客にとって何が最適なのか(たとえ顧客自身が気づいていなくても)である。
ビジネスの実践知(経験から得られる暗黙知)を活用するためには、今後のトレンドと新たな可能性を数年という時間軸で読む能力が問われる。リーダーは、相反する投資の選択肢に悩まされたり、収益の減少に茫然としたままでいたりすることがあまりにも多い。市場に価値を提供する方法を理解していないと、最適な投資ができない。さらによく見られるのは、反射的に全社一括のコスト削減を行うせいで、変化を続ける競争環境でうまく立ち回る力が削がれてしまうことだ。
4.濃密で信頼に満ちた関係を築く
誰もがこの人のために働きたいと思う経営幹部がいるものだ。そうした幹部は、上司や同僚、部下と濃密な関係を築き、重要なステークホルダーのニーズをくみ取り、それに応える。説得力あふれるコミュニケーションと、表面的ではないやり取りを通じて、互恵的で信頼に満ちた関係を築くのだ。その財産が社内での良い評判につながる。常に結果を出し、それに貢献した社員を心から大切にする人だと称えられる。
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