宮田はモンサント社の事例をもとに「IoTは顧客観察のためのプラットフォームです。顧客を知り、さらには顧客の利用状況と変化を知り、個々の顧客の変化に合わせた商品サービスを提供することが可能になります。農業の場合なら、どの農家がどんな土壌を持ち、どの農薬や種子を使い、結果的にどうなったといったループを回していくうちに、農家以上に農家を知ることができる。それが結果的に個々の農家にカスタマイズされた情報を提供するマス・カスタマイゼーションにつながります」と説明します。
これまでバリューチェーンの上流にいた農薬メーカーのモンサント社は、企業買収によってIoTやビッグデータを活用したデジタルビジネスに参入し、消費者に近いポジションを獲得することに成功しました。アメリカの農機具メーカーのジョンディア社も、モンサント社と同様の農業のコンサルティングビジネスに参入しています。このように、農薬メーカーと農業機器メーカーという異業種が、デジタル化された農業という新しい市場で競合する時代が訪れているのです。
最後に宮田は「アナログな領域こそ、IoTやデジタル化で破壊的イノベーションが起こりやすく、新しいマーケットが形成されていきます。異業種にとっては最大のビジネスチャンスであり、それこそがインダストリー4.0の本質ではないでしょうか。SAPでは、デジタルのコアとなるためにシンプル化のコンセプトで開発したSAP S/4HANAによって、今後ますます破壊的イノベーションを支援してまいります」と語りました。
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