2016年1月5日火曜日

グローバリゼイションと日本農業

グローバリゼイションと日本農業

東大 鈴木宣弘


日本は、世界貿易機関の枠組みの下で工業品の輸出を増大させて経済発展を遂げた。多国間のWTOにしろ数ヶ国間のFTAにしろ、国際貿易の促進が日本の経済発展に果たす役割が大きいことはまず認識すべきである。しかし、貿易自由化を含めて規制緩和さえすれば、万事上手くいくというのも幻想である。特に土地賦存条件に依存する食糧生産では、努力では補えない格差がある。 食料貿易の自由化は、極端な食料自給率の低下によるナショナル・セキュリティの問題などを総合的に勘案して、バランスの取れた適切かつ現実的な水準を検討すべき問題である。

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